ページ内を移動するためのリンクです。


国立社会保障・人口問題研究所

  • 文字サイズ

  1. ホーム
  2. 研究所の概要
  3. 研究所の紹介


研究所の紹介

ごあいさつ
 現在、わが国が直面する最大の政策課題は、少子高齢化への対応です。第二次大戦後の高度成長期を経て、国民の平均寿命は延び、生活は豊かになりましたが、一方で、高齢者が増え、それに伴って年金・医療・介護等の社会保障経費が著しく増加しています。他方で、新たな生産の担い手である若い世代の人口は減少し続けており、これまでわが国が築いてきた質の高い社会をどのようにして持続していくことができるか、それが課題となっていることはいうまでもありません。
 わが国が向かいつつある超高齢社会は、人類の歴史上初めての経験です。しかし、わが国だけに特有のできごとではなく、アジアの多くの国が、そしておそらく世界の大半の国が、わが国を追いかけて同様の課題に遭遇することになると思われます。そのため、アジア諸国を始め、多くの国がわが国のこの課題への対応のあり方に注目しています。
 少子高齢化というと、暗いイメージで捉えられる一方、わが国はまだまだ潜在的な活力があり、それをうまく発揮させれば容易に解決することができるという楽観論もしばしば聞かれます。しかし楽観的な期待に基づいて政策を作ることは危険です。必要なことは、直面する課題から目をそらすことでも、悲観的になることでもなく、その課題を直視して、どこまでもエビデンスに基づいて可能性を追求し、実現可能で実効性のある政策を策定することです。それには、現状についての正確で詳細なデータの収集とそれに基づく科学的な分析による将来についての精度の高い推計が必要です。
 1996年に、厚生省人口問題研究所と特殊法人社会保障研究所との統合によって誕生した国立社会保障・人口問題研究所は、厚生労働省に所属する国立の研究機関であり、人口や世帯の動向を捉えるとともに、内外の社会保障政策や制度についての研究を行っています。
 当研究所が実施し公表している人口動向のデータは、年金を初めとするわが国の重要な政策の基礎的な資料です。そのため当研究所のデータの提供に対しては、政策を策定する政府機関だけではなく、各方面から強い期待が寄せられており、それに応えることが私たちに課せられた使命であると考えます。
 これからわが国が取り組まなければならない政策課題は、複雑で困難です。少子高齢化の状況は地域によって異なりますし、時代によっても異なります。また、国民の生活や考え方もさまざまです。そうした社会が生み出す課題は、少子化や高齢化だけではなく、貧困、雇用、ジェンダーの問題、障害者等へのケアなど実に多様なものがあります。
 それらの課題に対してきめ細かく対応し、すべての国民が健康で文化的な生活を送ることができる持続可能な社会を作り上げるためには、詳細で正確なエビデンスに基づいた政策の策定が不可欠です。
 当研究所では、そうした政策形成に資する基礎的な情報を提供するとともに、これからの社会保障のあり方についてのレベルの高い研究を行い、社会に発信していく所存です。こうした活動の重要性は改めて述べるまでもありませんが、もちろんそうした研究は当研究所だけの努力で達成できるものではありません。政府機関はもとより、広く社会の関心と支援があってはじめて、その期待に応えることができるものです。
 所員一同、そのような使命と責任を自覚し、これまで以上に努力する所存ですが、国民の皆様に当研究所の活動についてご理解いただくとともに、暖かいご支援をお願いしたいと思います。

2014年4月
所長  森田 朗
所長 森田 朗